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メッセージ「東日本大震災から10年」

あれから10年が経ちました。
当時私は都内にいて、何時間もかけて歩いて自宅に帰り着きました。
地元・茨城の実家ともなかなか連絡が取れず、テレビに映る報道を眺めながら大きな不安に駆られていたことを覚えています。
しばらくしてから、復旧に取り組む水戸ホーリーホックの選手たちの姿が目に映りました。
支援物資の仕分けをする姿でした。
先日、当時の話を本間幸司選手とする機会がありました。クラブが、選手たちが当時どのような思いで取り組んでいたのか。どんな気持ちだったのか・・・
「この状況で、自分たちはサッカーをしていてもいいのか。クラブは何のためにあるのか」
そんな自問自答を繰り返しながらの困難な状況だったことが理解できます。
そして、そのような状態であっても、人のため、街のために必死に戦っていたことが伝わってきました。

多くを失ったあの震災の中にあって、クラブが得たものを一つ挙げるとすれば、それはクラブの存在意義だと思います。
クラブは地域のために。
あれ以来、水戸ホーリーホックはその思いを強くし、様々な活動に取り組んできました。
クラブの中で、当時を知る人間は少なくなりましたが、思いは語り継がれます。
それは今のコロナ禍でもぶれることはなく、これから先もそうでしょう。
あの年生まれた子供たちの原風景に、水戸ホーリーホックが寄り添っていられるよう、今後もクラブは地域に根ざし、地域と歩み、地域に貢献し、地域と共に発展したいと考えています。
最後になりますが、震災で亡くなられた多くの方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、御遺族のみなさまの平安と、そしてまだまだ復興途上である被災地の発展をあらためて祈念して挨拶に代えさせていただきます。
株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホック
代表取締役社長 小島 耕